10月6日、いくさか『創造の森』にて、第2のふるさとプロジェクト「旅するいきもの大学校!」の第2回が開催されました。
前日から生坂に入り、オプショナルツアーから参加している方、また今回第2回から初参加の方々も含め、総勢24名が参加しました。
まずは、今回初参加の方からの自己紹介。
和やかな雰囲気でプログラムがスタートしていきます。
そこで、奇ニ先生からの注意事項が入ります。
「今の時期はスズメバチの活動が活発になる時期なので、周囲に飛んでいないかよく観察して行動するようにしてください。」
近隣の民家の軒先に大きなスズメバチの巣があり、実際に飛んでいる姿も確認されました。
巣が確認されている場所の近くには近づかないこと、ありそうな場所もよく観察してから入ること、近くに飛んでいたら刺激を与えないよう無闇に動いたりしないなど、気を付けるポイントを教わり、この場所で他の生き物と共存しながら活動していることに気づかされます。
注意事項を確認した後、今回初参加の人も交えて前回設置したセンサーカメラをグループに分かれて回収に向かいます。
前回どこに設置したかメンバーで思い出し合いながら、森の中を歩いてカメラを回収します。
回収したカメラにどんな生き物が映っているか、ワクワクです!
一つひとつ映像を確認していくと、そこにはいろんな動物が映っていました!
前回自分たちの野生の勘を頼りに、”動物だったらここを歩きそう!”という想像をしながら設置しましたがその勘がバッチリと当たりました。
キツネ、シカ、ハクビシン、タヌキ、リス、アオゲラという鳥などなど、いくさか『創造の森』に生き物がいることが確認された瞬間でした。
生き物が映っていた動画データは回収し、奇二先生に後日まとめてもらいます。
そして、今回の生坂村ゲストは村議会議員の平田さん。
本日の軽食として用意された蕎麦を打ったおじさま倶楽部の会長でもあります。
生坂村の歴史についてお話しいただき、松本や長野など周辺の地域との位置関係やつながり、村の中心を流れている犀川や大城、京ヶ倉などの山の魅力を教えていただきました。
また、昔の暮らしの様子や文化財を残していくことで、生活の知恵や今の暮らしのありがたみなどを伝えられるようにしたいという想いも共有していただきました。
映像チェックと生坂村について学んだ後は軽食タイム。平田さんたちが打った蕎麦を振る舞っていただきます。
香りも喉越しもよく、参加者のお腹を満たしてくれます。
打ちたて茹でたての蕎麦はより美味しいとのことで、生坂村のやまなみ荘ではそれが食べられるとのこと。今度ぜひいただきたいです!
お腹を軽く満たした後は、今日のメインアクティビティの竹の切り出しです。
手頃な太さの竹を見定め、伐採し、指定の長さに切っていきます。
それを落ち葉ステーションやこのあと作るBee Houseに使用します。
まずは森を歩き、点在する竹林の担当グループを決めていきます。『創造の森』の奥に位置する竹林で奇二先生から竹の見立て方、伐採をする際の切る位置の高さや手順、竹を割る時のナタの使い方、枝打ちの仕方などをレクチャーしてもらいました。
参加者のほとんどが初めてする作業。真剣に耳を傾けます。
作業手順がわかったところで、それぞれの受け持ちのエリアに散らばり目標数の竹を切り出していきます。
各グループで話し合い、工夫しながら、作業を進め、先生から終わりの合図が出されるまでそれぞれ夢中になって作業していました。
テントに戻ると、生坂名物のぶどうが用意され、しばし作業後のくつろぎタイム。今回用意したのは生坂に脱サラして移住、ぶどう農家になったgems.grapeさんのぶどうです。有名なシャインマスカットや巨峰に加え、紅環などあまり聞き馴染みのない品種もいただきました。
生坂村では50品種以上のぶどうが生産されていて、シーズンになると道の駅が大変混雑するそうです。味などの特徴もそれぞれなので、食べ比べて自分の好みの品種を見つけるのも楽しそうです。
ひと休みした後は本日最後のアクティビティ、Bee Houseづくりです。Bee Houseとは、そのまんま”蜂の家”のことで、花粉媒介者であり生態系に大きな役割を担う蜂が巣をつくりやすくするために中が空洞になっている竹などを束ねてつくります。
今回、Bee Houseをガイドであり、いくさか大好き隊の尾井田さんが設計し、つくり方を皆に伝授してくれました。
グループに分かれ、蜂の巣の形をイメージした六角形の枠を木の板でつくり、そこに先ほどの切り出した竹の幹の細い部分や枝などを詰めていきます。
なかなか綺麗に成形するのが難しく、終わりの時間が迫り苦戦する中、一番進捗の良いグループのものを皆で協力してつくろうというアイデアが出てきました。
そこから一つのBee Houseを皆で仕上げ、森の中に設置するところまでどうにかやりきることができました。
このBee Houseに生き物が来てくれるのか、確認するのがとても楽しみです!
最後に、共創にまつわる仕事をしている立場からここまでの取り組みで感じていることを共有したいと思います。
このプログラムは普段の仕事も暮らしている地域も世代も全然違う人たちが参加しています。生坂村というフィールドで一緒に学び合いながら、カメラを設置したり、竹を切り出したり、Bee Houseをつくったり、運営側が細かく指示をしなくても自然とそれぞれが自分のできることや関心のあることに取り組んでいます。
村のネイチャーポジティブに参加型で共創しながら取り組む事例はなかなか他にないのではないでしょうか。この取り組みが次の時代の「ネイチャーポジティブ共創むらづくり」のモデル事例になるのでは!?と今からワクワクしています!
次回はオンラインの振り返り会を挟んで11月。皆で学びを共有し合い、アイデアを出してどんな活動になっていくのか、プログラム後半も楽しみです!